五月雨に隠れぬものや瀬田の橋
元禄一年(一六八八)四十五歳の作である
句意
五月雨に降りこめられて、湖面も湖畔の景色も、すべて姿を消し去っている
中に、瀬田の唐橋だけが墨絵のように横たわって見えることだ。
瀬田の唐橋に焦点を当てながら、五月雨に煙る琵琶湖の大観を捉えた水墨画
のような句作である。
「瀬田の橋」は瀬田の唐橋、瀬田の長橋ともいい、長さは百九十六間(三五五
メートル)である。日本三大橋の一つであった。
大津市瀬田 西光寺前
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