蒟蒻の刺身もすこし梅の花
元禄六年(一六九三)五十歳の作である
句意
亡き人のために、折からの梅の花を一枝手折り、そして蒟蒻の刺身も仏前に
少し手向けて、ありし日のことを思い出している。
「去来子へ遣す」との前詞があり、去来宛に亡き人のことを悼んで言い送っ
た句である。
芭蕉は蒟蒻が好物であった。
侘しい芭蕉の生活の一端と、亡き人への思いやりの心にほのぼのとする一句で
ある。
蒲生郡永源寺町 永源寺開山堂
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