紫陽花や藪を小庭の別座敷
元禄七年(一六九四)五十一歳の作である
句意
この離れ座敷の庭は、藪をそのまま眺めとして取り入れた質素な小庭だが、
折から紫陽花の青い花が咲いて、いかにも清閑の趣きが深いものだ。
深川の子珊亭の別座敷で巻いた芭蕉帰郷送別五吟歌仙の発句であり、庭前の
嘱目そのままに亭主への挨拶をこめた句作である。
大津市国分 幻住庵遊歩道
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