秋やまにあら山伏の祈るこゑ
元禄一年(一六八八)四十五歳の作である
句意
秋の澄んだ日、小高い山に登るとああどこからともなく山伏の修行の声が聞
こえてくるよ。
竜法寺という村は百七十戸、うち二十戸は天台宗、あとは浄土宗とかで仏教
の村である。ご先祖の人々の中には山伏の人も多かったであろう。
この句碑の碑裏には、「山陰は山伏村の一かまへ」という句が記されている。
その句意は「小高い山の広場から見るこの山里はいかにも山伏の村そのものだ。
そしてどの家もしっかりした構えで、山の陰にかたまって一村を作っている」
である。