霰せば網代の氷魚を煮て出さん
元禄二年(一六八九)四十六歳の作である
句意
さあ皆の衆、近江名物の網代の氷魚を煮て振舞おう。こんな折に一霰がさっ
と降ってくれたら、風流もひとしおなのであるが。
「膳所草庵を人々訪ひけるに」との前詞があり、草庵に人を迎えた喜びが伝
わってくる。そして霰と氷魚が潔く感合している。
「網代」は川瀬で氷魚を取る装置であり、「氷魚」は鮎の稚魚である。
大津市田上 南郷水産センター前
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