一つ脱いで(うしろ)に負ひぬ衣更      

元禄一年(一六八八)四十五歳の作である

句意

 

 旅中のこととて、衣更の日を迎えても着替えの夏衣を持たない身である。重

ね着の一枚を脱いで背中に背負い、さてこれで衣更がすんだことにしようか。

 

 「衣更」との前詞がある。旧暦四月一日に綿入れを脱いで袷に着替える年中

行事である。

 

飄々として旅をする境涯の気軽さが詠まれている。

 

 「ひとつ脱ぎうしろに負ひぬころもが」との句もあるが、「脱ぎ」より

「脱いで」の方が飄然たる趣が濃いと思われる。

 

句碑

 

那賀郡粉河町粉河 粉河寺

 

 

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