芭蕉と伊賀 -芭蕉生誕360年-
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処女作「貝おほひ」
「貝おほひ」の製作現場「釣月軒」
寛文12年(1672)正月25日芭蕉翁の生家松尾氏の後園に建てられた草庵 「釣月軒」。ここで芭蕉は自撰の処女集である「貝おほひ」を執筆し上野天神に奉納して江戸に下ったといわれています。

この「貝おほひ」は「三十番俳諧合」というごとく芭蕉が郷里の上野の諸俳士の 発句に自句を交えてこれを左右に番えて三十番の句合あわせとし更に自ら判詞を記して勝負を定めたものです 。

書名は遊戯の「貝おほひ」の「合わせて勝負を見る」ところによったもので、序文に「寛文十二年正月二十五日 伊賀上野松尾氏宗房 釣月軒にして みづから序す」とある通り伊賀を出て数年間季吟門に学び伊賀に帰った 芭蕉が上野においてこの書を編み折から菅公770年の忌日にこれを奉納したものと思われます。

芭蕉の生前中自署して自著として刊行した唯一の出版物で現在一冊だけが現存するといわれる「貝おほひ」の刊本は、延宝初年に江戸の中野半兵衛から出版されたもので、天理大学附属天理図書館が所蔵しています。

判詞は当時の軽妙な洒脱を自由自在に駆使したものでその闊達で奔放な気分は談林俳諧の先駆的なものとなったといわれています。

故杉浦正一郎氏の叙述によれば、当時、芭蕉は驚くべきほどの鮮かな成長を示し、時代の息吹を敏感にうけとめて、当時の俳壇の最も前衛的な傾向を身につけた、新しいめざめに躍動する作品となっていると評されています。

「貝おほひ」が奉納された「上野天神」
これによってうかがい知ることは、芭蕉はこの以前六年間の空白時代に、新しい タイプの俳諧師となるために必要な素地を十分身につけたと考えられます。

 ※「貝おほひ」中の芭蕉句
  きてもみよ 甚べが羽織 花ごろも
  女をと鹿や 毛に毛がそろうて 毛むつかし
 
※参考 「俳聖芭蕉翁」  釣月軒説明板より抜粋
 
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