Vol.5
ARPアンバッカムセンターには3つの教育施設が創られている。ほとんどの子どもは数10km以上離れた村々からここへやってきて、共同生活をしている。
教育の対象となっているのは、ダリットとして生まれた上なお「障害」のある子どもたち。ダリットの女性、「障害」のある中高校生。
インド社会において「障害」を持つことは「呪われた存在」として厳しい差別の対象となる。
教育を受ける権利など全く保障されていない。政府が行う公教育は、200年もの
イギリスの植民地政策の結果として、「読むこと、書くこと」を中心とした「与えられる」
知識中心の教育であった。たとえ識字率は向上したとしても社会の差別構造は変
わらなかったという反省をもとに、ARPでは「本来の教育は社会の現実を変えていく
ための新しい気づきを生み出すものでなければならない。」という考え方にもとづき、
様々な教育活動に取り組んでいる。
ARPで学んだ「障害」のある子どもたちはARPの小学校を卒業して立の中高等学校へ通っている。その中で成果をあげることによって、ARPの教育を認めさせようという運動をねばり強く続けている。
15〜18歳くらいのダリットの女性たちの裁縫学校もある。
1年から2年の間で染色や裁縫、織物などの技術を身に
つける。実習の合間をぬってみんなの食事の準備をする。
大人も子どもも協力しあって生活を支え合う。
卒業時に一人ひとりにARPからミシンが贈られる。生活
の糧を自らの手で支えるために。
ARPの学校教育