参加型学習・用語資料集 B
ステレオタイプ(stereotype)
 融かした鉛を流し込んで作った印刷用の複製版。人権学習では、偏見や決めつけによる凝りか固まった紋切り型の考え方を意味する。
 
ダイヤモンドランキング(diamond ranking)
 問題解決法のひとつ。それぞれに優先順位をつけていくことで、解決のための視点や技能を身につけていく方法。9つの解決策をダイヤ型に並べる方法。何を優先するのかの話し合いを通して、問題のつながりや、問題解決の長所や短所が理解でき、価値の明確化や判断が得られる。指導者は、さまざまな解決策が問題に対してどのような視点や意味を持つのか明確にしておくことが重要である。
 
バリアフリー(barrier free)
 障害者や高齢者と健常者とが分け隔てなく同じものが使え、利用できるように「障壁」をなくしこと。
 
ファシリテーター(facilittor)
 「ものごとを楽にする、助ける人」の意。体験的参加型学習や教育の場では、参加者や子どもの学びや気づき、理解を、当事者に則して支え、助ける人である。また、心理学的には、クライアント(相談者)の内面の未分化な感情や無意識を意識化し、明確にする過程を手助けする人という意味で使われる。教育(education)は、元来、子どもの可能性を引き出す(educate)という意味である。
 
ふりかえり(reflection)
 体験的参加型学習では、はじめに行うアイスブレーキングとならんで、重要な場面の1つ。一方通行型の講義や授業では、最後に教師が一方的に《まとめ》てしまい、参加者や子どもの疑問や感情を置き去りにしてしまうことが往々にしてある。最後の行う《ふりかえり》は、参加者の疑問や感情の起伏をお互いに分かち合い、自己や他者の理解をすすめ、学習を深めていくものである。特にオープンエンド型の学習では重要な役割を持つ。その意味ではファシリテーターの真価が問われる場面である。

メディア・リテラシー教育(media literacy)
 リテラシーは識字の意味。メディアからの情報を理解するということにとどまらず、クリティカル(単なる批判ではなく、検討・見直し・批評の意味で)に分析し、再構成することのできる能力を養う教育。また、E−メールの普及などから発信する立場からの能力の教育課題も重要視されるようになった。