Vol.10
ARPのすぐそばにこの村はあった。もともとは山岳地帯に住み、林業や狩猟を生業としていた。インド政府の森林開発政策により山を追われた。
ARPやNGOの政府に対する運動の結果、20戸の家も建てられた。
ダリットと同じようにカーストに属さない指定カーストに位置づけられるが、独自の文化や習慣を持ち、厳しい差別を受けることはないという。
政府からの仕事は周に4日ほどの植林の仕事。1日30ルピー(日本円で約90円)
の低賃金で働き、森に住む蛇やウサギを捕り、木の根や燃料となる薪を集めて生計をたてている。
この村を訪れたのは午後4時50分。当初の予定ではもっと早くに訪れる予定だったにもかかわらず、村人全員が朝から待ってくれていた。太鼓のお囃子や踊りも飛び出しての大歓迎。仕事にも行けず私たちを待ってくれていたことに申し訳なさを感じて聞いてみた。「仕事にも行けなくて悪かったです・・・・・」
「これがインドのホスピタリティー。旅人をもてなすことが私たちにとって幸せな時間なのです!」と聞いて目から鱗。
お金という価値観でしか人の生活を見ようとしていない私たちの傲慢さに気づかされた。一緒に笑い、ふれあい、つながりあうひとときを、今大切にし喜び合う。
打算のない出会いに感謝でいっぱい。
山岳部族の村へ