参加型学習の基本A
2.体験的参加型学習(ワークショップ)とは? 

(1)手法としての参加型学習のルーツ
@異文化理解・国際理解・平和教育など共生の視点から
オーストラリア・アメリカ・ヨーロッパなどの人種差別の問題を加差別の       側から迫ろうとした取り組みなど

A民衆運動・識字運動など被差別の側からの視点から
ブラジル・インド・フィリピンなどの非抑圧の状況に置かれた民衆自らの       立ち上がりを促そうとした取り組みなど

(2)参加型学習のめざすもの

@ 教育とは、未完成な人間が未完成な世界に批判的に介在し、世界を   変革することを通して自らを変革(解放)し続ける終わりのない過程である。
パウロ・フレイレ(1921〜1997)

  ブラジルの教育学者。子ども時代に飢餓を経験し、「社会階級と知識の関  係」を知る。中学校の教師として活動を開始し、教育文化局で働きながら民衆 と対話の中から「抑圧され、搾取され、文字を奪われててきた人々を、社会の底 辺に埋没させてきたものが『沈黙の文化』であることを発見する。それを教育によ って克服するため、抑圧された民衆と対話をくり返し、共に社会的状況を変える ために民衆自身が変革していく過程を「意識化」と呼んだ。「民衆文化運動」を 組織し、識字運動を展開する。
  1964年、軍事クーデターにより国外追放。16年間の亡命生活の後帰国。 この間「被抑圧者の教育学」「伝達か対話か?」「自由のための文化行動」な どを執筆。1989年から2年半、サンパウロ市の教育長を務める。教育の民主 化と質の転換をすすめ、学校に「父母の会」「生徒会」「学校評議会」などの組 織創設を提案する。
       【参考:亜紀書房「被抑圧者の教育学」「フレイレを読む」】