参加型学習の基本C
(3)ワークショップのもつ8つの側面
@相互に学び合い、相互に強めあう場であること。一方が一方を導く、教えると いうのではなく、すべての人は豊かなしかも異なった知識・経験・技術・アイ デアを持っているということを信じることからスタートする。
Aみんなで何かを創りあげる「協働作業」であること。現実の社会にある問題や 課題を知り、理解することだけにとどまらず、それらに対して私たちはどうす るか、どう立ち向かうか、どう取り組んでいくかという問題解決のための具体 的方策をみんなで協働して造りだしていく。
B参加者どうし、参加者とファシリテーターの対等な関係がベースとなる。相互 の学び合い、相互の信頼関係づくり、グループ作りのためのゲームを数多く行 うのはこのため。
C体験から学ぶことを大切にする。参加者の日常の生活体験およびワークショッ プでの模擬的体験が相互の学びあいのベースとなる。
D参加者にとっては人為的に「日常」から「非日常・脱日常」の場に自らを移し た場であるといえる。そこから「日常」の自分・社会・世界を距離を置いて客 観的にふり返る。当然または自然と思われていることを、いつもとは異なった 角度・視点から見直す。
E社会に向き合い、社会をよい方向へ変えていくためのものであること。不公正 な、不公平なこの現実社会を変えていく。できるところから。「変える」とい うことは未来にかかわること。
F参加者は社会と向き合い、現実社会で実際に起こっている状況そのものが 学習 の内容・中味となる。現実社会の状況にまさるテキスト(教材)はない。
Gワークショップそのもので自己完結するのではなく、参加者一人ひとりにとっ てワークショップ後の自らの新しい生き方・在り方・社会との向きあい方を実 践していく「出発点」となる。ワークショップの終了とは、「非日常・脱日常」 の自分から「日常」の自分にもどることである。