参加型学習の基本D
3.ファシリテーターとは?
@ 「たとえば、僕が印刷機を持っているとしよう。その印刷機で、僕は自分の新 聞を作って広めようとは思わない。そうではなくて、僕の印刷機を人々に手渡し てしまうのだ。彼(彼女)らが、彼(彼女)ら自身の新聞を印刷するために。」
(アウグスト・ボワール)
A
「私たちの前を歩かないで下さい。私たちはあなたについていけません。
私たちの後ろを歩かないで下さい。私たちはあなたたちに押されたくありません。
私たちの横にいてください。そして、一緒に考えながら共に歩みましょう。」
(インドのある地域の村人たちの言葉)
ファシリテート・・・(仕事などを)容易にする、促進する、楽に運ばせる
ファシリテーターは教える人ではありません。指導者でもありません。一言で言え ば「共に旅する人(Co-Traveller)」だと言えます。この現実社会をどう変えてい
くか。「私」「私たち」はどう生きるか。どこへ向かって、誰と共に・・・。そうした行き
方、つまり「生きるという旅」を共有し、対話しながら一緒に歩みをすすめようとする 人、この思いを持った人をファシリテーターと呼びたいと思います。
つまり、ファシリテーター自身も教えられ、変えられ、生き方を問い続けるのです。
ファシリテーターが大切にしたいこと
@すべての人は豊かな経験・知識・技術・パワーを持っていると信ずること。 A人々の知っていることからはじめ、私たちの持っているもので築き上げる。
Bコンテキスト(社会の現状)にまさるテキスト(教材)はない。
C「変化は可能である」と信ずること。
D「変化は内側から起こる」と信ずること。
E結果よりも学習過程(プロセス)を大切にすること。
F参加者の声に耳を傾け、参加者から学ぶ、共に学ぶ「共に旅する人」で
あることを忘れない。
Gファシリテーターである自分自身が社会に「向き合っている」こと。
F誰の側に立って社会を認識し、どう変えていくかという情熱を持っていること。