芭蕉と伊賀 -芭蕉生誕360年-
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伊賀上野周辺の句碑
くれは水辺公園
くれは水辺公園
上野市平野他。平成14年に開園。園内には士気の広場や散策路が設けられており、あわせて16基の芭蕉句碑が建てられている。43は、上野ロータリークラブ、47、48、53、54、58は上野市の建碑。書は寒玉書道会の葛輪啓子。その他の10基は、もと白樫のほのぼの研修センター内にあったものが移設された。
くれは水辺公園
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43. 時雨をや もどかしがりて 松の雪
句碑1
寛文6年(1666)冬の作。季語は「雪」。
(句意)多くの木々を錦に染める時雨も、松だけは染めてくれぬ。それをもどかしがってか、松が代わりに雪化粧でもしたいと待っていると、折から雪が降って、緑に白の対照美を現したよ。
44. 君火を焚 よき物見せむ 雪丸げ
句碑44
貞享3年(1686)冬の作。季語は「雪丸げ」雪丸げとは雪だるまのこと。
(句意)よくおいでなされた。炉の火を焚いて茶でも煮ながら温まり給え。私はよい物を作ってお目にかけよう。庭の雪で雪まるげでも作ってさ。
45. 凩に匂ひやつけし 帰り花
句碑45
元禄4年(1691)冬の作。季語は「凩」と「帰り花」。帰り花とはその季節ではないのに咲く花。大垣の門人の別荘で即座に詠んだ句。
(句意)時ならぬ返り咲きの花が、草木を枯らす凩に色艶を移したのか、この庭園は寂しく冬枯れた中にもどこか全体に潤いが漂っている。
46. 影待や 菊の香のする 豆腐串
句碑46
元禄6年(1693)秋の作。季語は「菊の香」。江戸深川の門人の家での吟。影待とは正月、5月、9月の吉日に徹夜して日の出を拝する宗教的行事。豆腐串とは豆腐田楽のこと。
(句意)菊薫る今宵の影待は、ご馳走の田楽豆腐にさした青竹の串にまで、庭前の菊の香がしみこんでいる感じでまことにさわやかな思いがする。
47. 旅がらす 古巣は梅に なりにけり
句碑47
貞享2年(1685)春の作。季語は「古巣」と「梅」。
(句意)自分は旅烏のように所定めぬ漂泊の身。久しぶりに故郷にもどってみると、懐かしいこの古巣は今も昔も変わらず梅が咲き匂っている。
48. 山吹や 笠にさすべき 枝の形
句碑48
元禄4年(1691)春の作。季語は「山吹き」。伊賀上野の実家で連句の発句として作られた。
(句意)黄金の花をたくさんつけて、なよやかにしなだれている山吹の枝。それは笠の飾りに挿したらちょうど似合いそうな枝ぶりだ。
49. ひごろにくき 烏も雪の 朝かな
句碑49
元禄3年(1690)冬の作。季語は「雪」。
(句意)鳴き声のやかましさに、日頃は憎く思っている烏も、雪の朝、真白い樹々の枝に黒く点々と止っているのを見ると、なかなか風情がある。
50. 目にかかる 雲やしばしの 渡り鳥
句碑50
年次不詳、秋の作。季語は「渡り鳥」。
(句意)渡り鳥の大群が、しばらくの間、雲かと見えるばかりに太陽を暗く遮り、やがてはるかな空の彼方に消えて去ってゆく。
51. 春なれや 名もなき山の 朝がすみ
句碑51
26の異形句。
(句意)ああ、もう春なのかなあ。こんな名もない平凡な山々にもうっすらと霞がたなびいている。
52. 名月に 麓の霧や 田のくもり
句碑52
元禄7年(1694)秋の作。季語は「名月」、「霧」。伊賀上野の無名庵ができ、月見の宴を催したときの吟。
(句意)皎々たる明月の下、はるかな山の麓沿いに夜霧が白じろと濃くたなびき、手前の田の面のあたりではうっすらと霞んでいるように見える。
53. 一里は 皆花守の 子孫かや
句碑53
29参照
(句意)王朝の昔、この花垣の庄では、花七日の間花守がついたと伝えるが、今この地に住んでいる里人たちは、みなその花守の子孫なのであろうか。
54. 木のもとに 汁もなますも さくらかな
句碑54
元禄3年(1690)春の作。季語は「桜」。
(句意)屋敷の庭に筵を広げ、花盛りの桜の下で酒盛りもたけなわの席に、落花粉々として降りかかり、汁も膾も、何もかも花まみれになってしまいそう。『ひさご』の巻頭歌仙の発句元禄3年3月2日伊賀上野の藤堂藩士の小川風麦亭での俳席で詠む
55. 老いの名の ありとも知らで 四十雀
句碑55
元禄6年(1693)秋の作。季語は「四十雀」。
(句意)己に四十という初老の名のあることも一向知らぬげに、四十雀はああして機敏に飛びまわり、楽しそうに囀っていることよ。
56. ひばり鳴く 中の拍子や 雉子の声
句碑56
元禄3年(1690)春の作。季語は「ひばり」。
(句意)日がな一日鳴きつづける雲雀の声の合間に、時折能楽の拍子のように、ケンケンと鳴く鋭い雉子の声が入って、のどかな春を感じさせる。
57. はつ真瓜 たてにやわらん 輪にやせむ
句碑57
元禄2年(1689)夏の作。季語は「真瓜」。
(句意)初物の真瓜をたてに割ろうか輪切りにしようかはやく食べたい。「句なき者は喰う事あたわず」と戯れて詠った。とにかく芭蕉は瓜が大好物であった。
58. 杜若 にたりやにたり 水の影
句碑58
寛文6年(1666)夏の作。季語は「杜若」。
(句意)杜若の、水に映った影は本物そっくり。これぞまさしく、「似たりや似たり」だわい。
※なお、記載内容において、建立者及び書の揮毫者の敬称は省略させていただき、役職名は建立当時のものといたしました。
※参考、上野市・上野市教育委員会制作ガイドブック「芭蕉句碑散歩」より
 
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